楽譜に書いてある音が出せたらいい…のではないのです!

小学3年生のYちゃんが発表会に向けて練習していた、某アイドルグループのヒット曲がいよいよ完成間近です。

楽譜に書かれていた音自体はずいぶん前から弾けるようになっていました。

ですが、鍵盤のあちこちを行ったり来たりするメロディーを、かわいい右手で鳴らすのにせいいっぱいで、歌詞のある楽曲のように聞こえるかと言えば、そこまではなかなかという状態が続きました。

何に気をつければいいかというのは、きっと楽器をされた方ならお分かりかと思いますが、「アーティキュレーション」なんですね。打鍵のしかたや、スラーやスタッカート、そして、休符と音価です。

エレクトーン譜に書かれているアーティキュレーションにはさらに深い意味があります。

音と音の切れ間に音色チェンジが行われるよう、プログラムが組まれているのです。

休符はもちろん、スラーの切れ目のにも音色チェンジがあったり、スタッカートとスタッカートの間にディレイと言われる反響音がプログラムされていることもありますし、アクセント(イニシアルタッチ)や打鍵後に押し込む(アフタータッチ)ことで音色が変化するプログラムもあります。

これらは一例ですが、エレクトーン用のアレンジ譜は、楽譜通りに弾くことによって、組まれたレジストレーションが存分に生きてきます。

 

話は最初のYちゃんに戻ります。

Yちゃんにも、これらのアーティキュレーションのお話をずっとお伝えしてきました。

まだまだ小さな右手で6度、7度の幅をスラーで弾くことにとても苦労されていましたが、レッスンを重ねるごとに少しずつ、少しずつできるところが増えてきました。

いちばん最近のレッスンでは、聴いていて耳にさわる音や弾きかたがほとんどなくなり、とてもていねいに、一音一音に集中して演奏されていることが感じられるようになりました。とっても音がきれいに聞こえるようになりました。

もう、めっちゃすごい!すごい!ほんまに上手になったね!と一緒に喜びました(^^)。

音が鳴ればいいのではない。

これは「人に聴いてもらう発表会曲」の練習だからこそ、ものすごく意識していくところだと考えています。

 


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