エレクトーン向けの楽譜は、同じ曲でも難易度やアレンジが様々です。
特に難易度に関しては「グレードレベル」という数字で表されていることが多く、大きくざっくり分けると、
「入門~10級」が導入間もない人向け
「9~8級」が初心者向け
「7~6級」が中~上級者向け
「5級以上」が上級者(指導者レベル)向け となります。
グレードレベルが高くなるほど自分で弾くところが増え、いろんな動作や演奏テクニックが必要になってきます。
その演奏を見ている人からすれば、見た目も聴いた感じも「ああ、さすが、いっぱい動いているな、すごいな」という印象です。
でも。
だからといって、「9~8級」レベルが、俗に言う「ショボく」聴こえるのかと言うと決してそんなことはありません。
発表会で演奏してもちゃんとステージ映えがするように、とても豪華な音色やサポートが組み込まれていることが多いです。
実際うちの初心者レッスン中の生徒さんたちが発表会で披露している曲は、市販の入門~9-8級楽譜から選ぶことが多いです。
エレクトーンの楽譜と演奏データーは、どんな人でも自分のレベルに合ったアレンジで演奏でき、それを聴いている人も「おおお…、すごいやん!!」って感じるように、ほんとうに、ほんとうにきちんとできています。
だから、大人も子どももみんな、初心者向けの楽譜だからって恥ずかしがることなくどんどんチャレンジしていただきたいと思います。ワタシもたまに初見で弾いてその弾きごたえに悦に入っています(笑)。
と、急にこんなことを言い出したのは、ふと遠い昔を思い出したからです。
発表会で弾く曲を決める時、
「ハイレベルの曲じゃないといや。でも、ハイレベル楽譜は足が難しいから足は抜いて両手だけで弾きたい。」という生徒さんがいました(おうちの方もローレベル楽譜を弾いてほしくなかったようですが、まだレッスンを始めたばかりで、そこまでのレベルには到底到達していませんでした)。
当時(今もですが)、私はこの考えにはあまり賛成できず…、
「エレクトーン用の楽譜ってな、どんな簡単な曲でも楽譜どおりに弾けば、すごくかっこよく聴こえるようにできてるんやで。
でもな、どんな楽譜でも、弾かなあかんところをすっ飛ばしたら、ああこの子、練習最後までできへんかってんなってくらいの残念な演奏に聴こえるんやで。実際未完成やしな。」
と、こんな風に私の考えを話しました。
いくら上級レベルの楽譜でも、エレクトーン用の楽譜を、足を弾かずに両手だけで演奏となると、本来その曲にはちゃんと役割があったベース担当が急に休んでしまったバンドの演奏のようなものになり、腑抜けた感じになってしまいます。
エレクトーンは、3ヶ所でそれぞれ違った音を奏でるひとりアンサンブルができる楽器です。
自分のできる範囲で3ヶ所全てを奏でてあげた方が弾く方も聴く方も満足できると思います(*^^*)。
あと、補足ですが、
ローグレード楽譜だと短時間でたくさん完成するし(達成感いっぱい)、演奏作業量的に余裕があるぶん、音色ごとの鳴らし方やアーティキュレーションに意識を持っていきやすく、エレクトーン奏法のとてもいい練習になります。
そしてそして、
ハイレベルの楽譜を「とりあえずさいごまで弾ききったぞ!ドやあ!」という演奏よりは、ローレベルの楽譜をこれでもか!というくらい弾き込んだ演奏のほうが、聴く人(この場合、親子ども除く第三者)の耳にはとても優しく聴こえるのは紛れもない事実です(^^)。
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